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着工から2年強―工事の遅れ


 大鹿村でリニア南アルプストンネル長野工区の安全祈願式が行われたのが2016年11月1日だった。あれから、まる2年強過ぎたが、当時の工事説明会資料の工事工程表を見ると、工事が当初予定より大幅に遅れているのが分かる。

 非常口トンネル掘削は当初の工程表では平成28年度第四四半期、つまり2017年1月(小渋川非常口)、2月(除山非常口)とされていたが、小渋川非常口は行政手続き等で遅れ、除山非常口で形だけトンネル掘削「開始」とされたのが2017年4月、実際に小渋川非常口で掘削が開始されたのは7月だったし、除山非常口は11月。

 また、釜沢非常口では2016年にヤード整備を行い、2017年第二四半期には非常口トンネル掘削が始まる予定だったが、仮橋が架かっただけで、いまだにヤード整備にも着手できていない。

平成29年度中に非常口トンネルを掘り終えて、平成30年度(2018年)には本坑、先進坑トンネル掘削が始まっている予定だったが、2019年年頭の今も非常口トンネルを掘っている状況。(除山650m、小渋川850m)

 釜沢地区からの残土運搬路となる先進坑の貫通は当初の工程表では2018年秋となっていたけど、まだ手も付いていない1.6kmの掘削にどれだけかかるのか。釜沢の三正坊に仮置きしている残土は農地の一時転用で3年間の仮置きのはずだった。3年は2020年の夏だが、それまでに運び出せるのか?

 当時の工程表では、工期を国道迂回路の整備、工事用道路となる先進坑の貫通、松川インター大鹿線の道路改良に合わせて4段階に分けて、工事車両台数が示されていた。国道迂回路は仮橋の建設が予定どおり進まず、昨年6月から暫定迂回路で運用されているが、今年度中は工事車両台数は第一段階の68台のまま据え置かれた。まだ最上流の仮橋は地権者との交渉中で、こちらは県の公害審査会の調停にかかることになり、今年度中には架けられないことになった。そのため暫定迂回路の期間延長と通行車両台数の増加が求められている。しかし、JR東海から提示されているのは、第二段階の数字ではなく、釜沢からも残土が運び出せるようになる第三段階の数字よりもさらに多い数字が示されている。

 この迂回路の件については、全村対象の懇談会が1月16日に行われる。

 昨秋、松川町の残土置き場候補地2か所が取り下げになり、残土の行き先も決まらないまま。小渋線の改良は、トンネルが一つ開通し、もう一つも年度内に開通予定と進んでいるが、他の拡幅箇所は行政手続きで遅れている。当初工程表では平成30年度内に改良を終えて、31年度から村外搬出が始まる第四段階となっていたが、32年(2020年)第三四半期(秋ぐらい)までかかるようだ。ただし、その時に村外の行き先がどれだけ決まっているかは分からない。

 昨年12月現在の村内の工事状況が南信リニア通信に写真入りで紹介されています。


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