「リニアで南アルプスを壊さないで」登山者アピール実行委員会では
下記のアピールへの賛同を集めています。
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【呼びかけ文】
私たちは南アルプスを愛する登山者です。
13の3000mのピークが連なる南アルプスは、日本を代表する山脈です。
その重厚さと山深さゆえに、自立した登山者を育んできました。
南アルプスを経て、今も多くの登山者がより高く遠い峰々を目指しています。
山脈南部は道路や送電線など横断する人工物のない、国内でも希少な地域です。
その豊かな自然を享受してきたのは、私たち登山者です。
JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線は、その南アルプスを東西に貫きます。
人命を危険にさらす難工事は、同時に動植物の生息環境をも危険にさらします。
トンネル建設で大井川をはじめとした周辺河川が干上がり、
排出される膨大な残土で谷は埋まり、赤石岳を望む美しい景観は、
橋梁や鉄塔・送電線で台無しになります。
10年以上の工事で、ふもとの村々や登山口は一大工事プラントに変貌します。
工事で人のつながりや生活環境が壊され、自然を活かした地域づくりが損なわれます。
工事車両の通過のために、道路の大幅な改修が行なわれ、
新たなトンネルが掘られます。
排出土は河川敷を埋めて、下流域の住民生活を危険にさらし、
環境汚染を招きかねません。
しかも工事はいつ終わるともわかりません。
変わり果てた南アルプスを目指して、私たちは登山をするのでしょうか。
片道1時間で東京と大阪が行き来できることと、
南アルプスの価値は引き換えにできません。
これ以上の速さと開発はたくさんです。
私たちは、リニア中央新幹線に関する、すべての工事の即時中止を求めます。
この手つかずの自然を、私たち登山者は後の世代に引き継ぐ責任があります。
■呼びかけ人
猪熊隆之(ヤマテン、気象予報士)
岩崎元郎(無名山塾、登山ガイド)
大島康弘(日本山岳会静岡支部長)
掛川義孝(聖平小屋、登山ガイド)
斉藤一男(日本山岳協会元会長)
志水哲也(写真家、山岳ガイド)
白鳥勝治(清水山岳会、日本山岳会静岡支部自然保護委員)
瀬畑雄三(渓の翁、源流釣り師)
高桑信一(作家)
竹本幸造(静岡県勤労者山岳連盟理事長)
田中裕之(ぶなの会代表)
寺沢玲子(同人パハール)
成瀬陽一(海外溯行同人、渓谷探検家)
西本武志(日本勤労者山岳連盟会長)
橋本利治(山岳会登研代表)
服部隆(南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡共同代表)
服部文祥(作家、サバイバル登山家)
前島久美(大鹿の100年先を育む会)
増本亮(クライミングファイト、クライマー)
松永義夫(静岡市山岳連盟会長)
馬目弘仁(信州大学学士山岳会、クライマー)
三宅岳(写真家)
山田哲哉(風の谷、リニア新幹線を考える登山者の会)
吉木真一(金峰山小屋主人)