JR東海は、昨年12月18日、山梨県早川町内で南アルプストンネルを貫くトンネル工事の起工式を行い、本年3月には早川非常口となる作業用トンネル(2.5km)を、秋からは本線トンネルを、掘り始めると発表しました。そして2025年秋には完成にこぎ着けるという工事工程を示しました。
しかし、JR東海自身が認めるように、このトンネル工事は「掘ってみないと分からない」というもので、これまでも多くの識者から、その危険性が指摘されてきました。その最大の問題は、半世紀以内に必ず起こるとされる南海トラフ地震で、そのうちの一つ東海地震は、リニア新幹線の建設予定地を直撃します。これまでにも東海地震は南アルプスの山体崩壊や深層崩壊を発生させており、工事中にせよ、完成後の営業中にせよ、まちがいなく大惨事を引き起こすと考えられます。
その他にも、今日の説明にもあったように、変動していく山岳帯での安全は確保できず、また地下水の状況がまったく分かっていないことによる不確実性など、危険性は挙げれば際限がありません。
しかも掘削残土をどこに処分するのか、そのあてもはっきりしておらず、また大井川の水の現象がほんとうに毎秒2トンですむのかも不明で、さらに地下水の変動による自然や生態系への影響など、ずさんなアセスのまま事業は進められています。
私たちはこうしたJR東海の工事の進め方に、強い憤りを覚え、工事中止を強く訴えます。神々しいとも言える南アルプスの山容に、横暴にも大穴をあけることは決して許されません。
私たちは、「今からでも遅くはない。南アルプスのトンネル工事は即刻中止を!」と、声を大にして訴えます。
2016年2月27日
「ユネスコエコパーク南アルプスにトンネルを掘るの?!市民集会」
参加者一同